比較地域研究論第4回用メモ

表題・地域における問題の意味の確認

1.復習
 1)研究の「問題」発見方法としての「地域」からのアプローテ
 ○「地域」において既に重要と看倣されているもの
 例:韓国において重要なもの
 ○地域と日本、或いは、地域と世界との関係において、既に重要と看倣されているもの
 例:日韓関係において重要なもの、日米関係において重要なもの、国際社会において「韓国に関わる問題」と捉えられているもの

2.「意味」の確認
 ○「単なる行き当たりばったりの思いつき」でないことの確認( → 3へ)
 ○「何故、重要であると看倣されているか」の確認( → 4へ)
→ 「重要だ」というだけでは、リサーチ・クエッションにはならない
→ どうして重要だと考えられているか、がわかって、はじめて、聴衆がその問題を、どのような問題として捉えられて
いるかがわかる(その考え方の枠組み自体が仮説の候補になる)
→ それを前提として、研究の為の「戦略」が立てられる(資源との関係)
→ その結果、ようやく、「何を調べれば良いのか」、が決まる(やみくもに「周辺」を真剣に調べても資源の浪費)

3.重要性の確認(1)
 ○現地社会における意味 − 基本的に「現地社会において現地社会を対象として作られた資料」に依拠して調べる
 ○何時の段階での意味? − 現在における意味か、ある時点における意味か(時期に合致した資料を探す)
 ○それはどういう表現で現れるか?、表現方法は時期によって変わっていないか? − 地域そのものは調べられない、ある時期、ある空間での出来事についてしか調べられない

4.重要性の確認(2)
 ○手順として、まず、「問題のあること」の確認、次に、「どの時期において」「どのような人々にとって」「どのように」重要かを調べる
 ○最も基本的な作業として、「現地の人々が最も重要であると看倣しているデータ」の時系列的確認

5.予備調査のコツ
 ○複数の種類の資料を同時に参照しない − 単一の資料で長い時間的範囲をカバーし、しかも、定期性、社会的位置づけが安定しているものがよい
 ○自らの「印象」や限られた人々の「話」に頼らない − 観察者の傾向性を認識する
 ○「検索」よりも「目次」が便利 − 「目次」にはその時点での重要性が反映されている
 ○資料そのものの現地社会における位置づけをよく理解する − イデオロギー性、読者層(聴衆)、公的/私的等々
 ○問題と戦略に応じて「縮尺」を選び、「縮尺」に応じて、予備調査資料を決める
 ○研究対象としている時期よりも長い時期を取って、時代的流れに従って資料を見る(現地の人の目線に合わせる)
選択の例:
 新聞(日刊)、雑誌(週刊/月刊)、年鑑(年刊)
 社説、コラム、記事の分量、目次(例えば縮刷版の)
 白書(公的)、特定の地位にある人々の演説・談話、特定の日時に定期的に繰り返される記念演説等
×特定の個人や「問題」に登場するアクターに関連するものは、この段階では用いない
CF.検索を使う場合
 1)先に「語句」を決めて検索を行い、特定の問題に関る「記事」を集める
 2)「記事」が集中する時期の当該資料の「現物」に当たる(そうしないと「記事」の「重み」がわからない)
 3)最も古い「記事」の周囲は念入りに調べる(関心は以前からあって、ただ表現が変わった可能性がある)
 4)事前に検索を行う資料の「目次」を持っておくと便利

6.次に進むために
 ○時代的状況の大雑把な確認
 ○「地域」において重要と看倣されているアクターの確定(いきなり背後の状況を探ろうとしない)
 ○繰り返し用いられる「キーワード」、や「語り方」の確認
 ○可能であれは、この問題に対する、国際社会や日本、更には学界等での認識のチェック
可能性
 (1)「現地での認識」−「国際社会/日本、学界等での常識」=これも「仮説」「問題」、の大事な候補
 (2)「現地での認識」≒「国際社会/日本、学界等での常識」の場合は、アプローチに工夫が必要
 にの段階では新しい発見がないから、「面白くない」)
 →「仮説」を他の方法に依拠して精査する

まとめ
 「仮説」は、これらの予備的調査の前から「頭でっかち」に作らない方が良い
∵ 現地のデータがこれに相応しくない場合には、時として「無理筋」の実証を追い求めることになりかねない
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